火災旋風の実験例 2

 2012年11月建築研究所火災風洞で行った実験 (山形大学桑名研究室との共同)
 建築研究所の大型火災風洞は我々にとって理想的実験環境である。しかし大規模ゆえ、予算、マンパワーの制約を受けてしまい、準備期間も長くなる。スポンサーが付くことにより、このうちのいくつかの問題が軽減される。今回も日本TV「News every」の収録が目的であった。
 できれば前回と違う実験を行いたい。初めブラジル草原型を試みた。小型風洞で模型実験は成功していても、この実験はセッティングが難しい。二度トライしたが旋風の発生の兆候がつかめなかったため、実験日1日だけでは無理と判断し、前回同様逆L字に燃焼域を配置し、被服敞跡を模した。
 ただし、前回と異なるのは燃料を注ぐパンを間隔を空けずに蜜に配置し、その代わり全体の燃料パンを少なくし燃焼域を狭くした。全体の発熱量は前回の半分ほどになっている。

動画
火災旋風3 The experiment of the fire whirl in a wind tunnel #3 (YouTubeへリンク)
火災旋風が燃料の無いエリアを動き回っている

火災旋風の風洞実験4 The experiment of the fire whirl #4 (YouTubeへリンク)
巨大な火災旋風が発生した

逆L字の燃焼域で発生した3つの火災旋風
煉瓦が敷いてある部分の横幅は約3m、奥行き3.5m

風 奥より手前1m/sec
燃料 ノルマルヘプタン
燃焼域から離れた場所で発生した火災旋風(中央)。被服敞跡を襲ったのはこのタイプと考えられる。

左側の手前には炎を伴わないで、煙だけの渦ができている
燃焼域上で発生した最大規模の火災旋風
高さは8mちかくになる
上写真より旋風の下部が絞られ、輝度が増している
風速が増したためと思われる

中央にも小型の火災旋風が一本発生している

大きな火災旋風は無くなったが、中規模の旋風が何本か発生している
一番右の旋風は燃料配置域を離れて燃えている
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